連載 病院勤務者のための論文作成入門・6【最終回】
投稿と査読結果への回答
松田 晋哉
1
,
福留 亮
1,2
,
村松 圭司
1
,
藤野 善久
1
,
久保 達彦
1
1産業医科大学医学部 公衆衛生学教室
2公益財団法人慈愛会 事務局経営企画室
pp.484-488
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102802
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今回は投稿から査読結果への回答,そして論文受理までの流れを説明します.投稿した論文が一度でアクセプト(受理)されることは稀です.通常は査読者から種々のコメントを受け,それらに答えることが「受理」の条件となります.
一度,自分なりに「仕上げた」と思って投稿した論文に,いろいろとコメントがついて返ってきて,それに対応するために仕上げたはずの論文にもう一度向き合うというのはかなりの心理的負荷がかかります.コメントの中には自分が意図したこととは違う視点からのものもあり,正直気分が滅入ったり,怒りたくなったりすることもあるでしょう.しかし,査読者は投稿したあなたのために忙しい時間を割いて論文を読んでくれているのです.査読者への敬意を忘れてはいけません.1つひとつのコメントに丁寧に答え,査読者があなたの論旨を誤解している場合は,どうしてそのように解釈されてしまったのかを考えたうえで,誤解の生じにくい文章に修正し,その旨を査読者に説明します.また,どうしても自分の主張したいことを通したい場合は,その主張を強化する説明を加えます.
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