連載 出産写真家が撮るお産と家族の風景・6
Midwife
河合 蘭
pp.577
発行日 2022年12月25日
Published Date 2022/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202075
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その部屋には,ぽっかりと大きな月がのぼっているようだった。何ひとつわだかまりのない女性と助産師。妊娠中から,いつも彼女がその女性の妊婦健診をみていたという。薄明りの中でひとつになっているふたりは,あまりにも美しくて,息をのんだ。
女性は目を閉じ,自分の身体の中にじっと耳を傾けているが,その腹部に手を当てる助産師もまた,命がやってこようとしている今と此処にすべての五感をささげている。
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