特集 オンラインクラス・オンライン相談
オンラインツール活用の実際
—子育てセミナー—産後のクラスを対面からオンラインに変える5つの秘訣
横手 直美
1,2
1中部大学大学院生命健康科学研究科
2中部大学生命健康科学部
pp.292-299
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202014
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乳児をもつ母親の育児ストレスの軽減を図るには,子どもの健やかな成長発達とともに,母子相互作用の促進を図る子育て支援が効果的であると考えられる。筆者は,その具体的方策として,母子のエクササイズと育児教育を融合させた「ママもベビーもハッピーになれる子育てセミナー」(全4回シリーズ)を2013年度から毎年,中部大学(以下,本学)で開催してきた。参加した母親は,児とのコミュニケーションスキルが向上したり,母親自身のリフレッシュができたりしたという成果を感じており,母親の抑うつ気分が軽減して活気が上昇し,EPDSスコアが低下するなどの心理的効果をもたらすことが分かっている1,2)。このような月齢に合わせた育児教育と母親同士の交流の場の提供が,産後ケアや育児支援として活用できることを本誌でも報告した2)。
本学は1キャンパス7学部から成る総合大学であり,保健看護学科以外にも育児や教育に関連する学科がある。そこで子育てセミナーは,2019年度より,保育士・幼稚園教諭を養成する幼児教育学科と,救急救命士を養成するスポーツ保健医療学科とも協同して開催していた3)。助産師である教員だけでなく,他学科の教員(セミナー講師)やサポートスタッフとして参加する学生が関わることで,母親にとっては,児の発達段階に合わせた専門的な知識や個別的で細やかなアドバイスを受けることができる。そして広大なキャンパスで散歩や昼食も楽しめることも,本学の子育てセミナーの特色として知られていた。
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