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はじめに
7月24日(日),東京都庭園美術館(東京都港区白金台。以下,庭園美術館)で開催されたプログラム「あかちゃんとおさんぽ」に参加してきました。
このプログラムは,武蔵野美術大学芸術文化学科教授の杉浦幸子さんが進めている研究「乳幼児の心理的発達に関わる美術館における鑑賞プログラムの分析と開発」(科学研究費2014年度挑発的萌芽研究)の一環で,「こどもとファッション 小さい人たちへの眼差し展」(7月16日〜8月31日)の関連企画として開催されたものです。
生後3〜12か月の乳児と保護者(3組)を対象に,庭園美術館本館内・ウェルカムルームからスタートし,本館1・2階,新館の空間やそこに展示されている作品を,それぞれのペースで,1時間ほどかけて,五感で体験しました。
本プログラムの企画・実施者である杉浦さんは,2001年に行なわれた第1回横浜トリエンナーレや,2003〜2004年には森美術館で,0〜2歳の乳幼児を連れた保護者をサポートするバギーツアーを行なっていましたが,2014年からは,保護者ではなく1歳未満の乳児にフォーカスしたプログラムを行なっています。東京都現代美術館,大分県立美術館,川崎市岡本太郎美術館,スパイラル,パナソニック汐留ミュージアム,そして今回の庭園美術館で6館目の赤ちゃんプログラム実施となります。
杉浦さんは,「言語を獲得する前の乳児の学びに,アートにかかわるモノ,場,ヒトがどういった刺激を提供できるかを検証する」ことへの関心から,生後8か月までの乳児を主な対象に脳と心の発達を研究している山口真美さん(中央大学文学部心理学研究室教授)や,子どもを対象とした展覧会企画などを行なう山本雅美さん(東京都現代美術館学芸員)などの協力を得て,この研究を進めています。
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