トピックス
第22回 性の健康世界学会 レポート—World Association for Sexual Health 2015
西 佳子
1
,
茅島 江子
2
,
今村 久美子
3
1学校法人慈恵大学慈恵第三看護専門学校
2東京慈恵会医科大学医学部看護学科
3埼玉医科大学保健医療学部看護学科
pp.56-58
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200401
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
第22回性の健康世界学会が,2015年7月25日(土)〜28日(火),シンガポールで開催されました。参加者は,助産師,看護師のほか,産婦人科,泌尿器科,心療内科の医師,臨床心理士,性科学者,NPO法人で性にかかわる人たちなど,多岐にわたりました。今回,私たちは「骨盤臓器脱患者の性生活・日常生活への影響」「出産後の女性の性機能」についてポスター発表するために,初めて本学会へ参加しました。
性の健康世界学会(World Association for Sexual Health,以下WAS)1)は,「性の健康の推進」をミッションに掲げる,性の分野の国際研究者組織です。1978年より性の健康と権利に関する活動をグローバルに展開しており,性の健康の領域では最大規模で,世界各国の性科学者を会員としています。この学会は,2年ごとに開催され,教育やネットワークを通じた性の健康の推進に貢献しています。
あらゆる人の性の健康を推進するため,学会活動は,学びを通じて性的に健康な生活・生涯の実現を目的とする「セクシュアリティ(性)教育」,性の健康を回復することを目的とする「臨床性科学」,性の健康の達成と維持にかかわるエビデンスを集積する「性研究」などをテーマとしています。
今回の学会には371人が参加しました。そのうち日本人は35人で,参加人数の順位は2位でした。性の健康と権利,性行動と社会学的調査,性の喜びと問題などの発表がたくさんあり,性の健康について考えるよい機会となりましたので,印象に残った講演をいくつか紹介したいと思います。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.