連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・118
安心して産める場所を傷つける悪い噂
冨田 江里子
1
1バルナバクリニック(フィリピン)
pp.378-379
発行日 2014年4月25日
Published Date 2014/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102783
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子癇を敗血症と診断されて
11月のある日,保健所に勤務する友人看護師から,電話連絡が入った。「あなたのところでお産した人が,今運ばれてきて痙攣しているの。保健所長(医師)は,患者は敗血症で,原因は日本人のお産だって言っているわ」
保健所長は患者に一度も触れずに診断を下し,保健所では対応できないとすぐに病院へ搬送した。この患者は18歳の初産婦,11日前に子宮口全開でやってきて会陰裂傷もなくお産した人だった。お産後の血圧は110-80mmHg,普通に産褥の8時間をクリニックで過ごし,帰宅していた。
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