連載 りれー随筆・339
看護基礎教育の場にいる助産師として
垣花 美智江
1
1看護専門学校
pp.262-263
発行日 2013年3月25日
Published Date 2013/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102431
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私は,看護専門学校で教員として20年働いてきました。現在,学校管理の職責に就いているのですが,母性看護学の実習施設の確保に頭を悩ませています。ここ数年は,県内の3大学と専門学校5校で,パズルの隙間にピースを埋めるように,母性看護学実習施設の調整を行なう状況です。その理由は,他県と同様に出産数の減少と産婦人科医師の不足による産科病棟や分娩を扱う施設の閉鎖が進んでいることと,大学における看護学部の新設や専門学校の新設による学生数の増加とのミスマッチにあります。
全国的な課題解決のために,厚生労働省は,2009年に看護学生の母性看護学実習への協力依頼のポスターを作成して,全国の施設へ呼びかけました。ポスターには,「看護学生は,母性看護学実習で『命をはぐくむ心』を学びます。将来の看護職員を育てていくために,患者の皆様やご家族をはじめとした国民の皆様に看護学生の実習へのご理解とご協力をお願いします。」と記されていました。この呼びかけには養成校の願いが託されており,期待を持ちましたが,事態が変わることはありませんでした。
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