連載 りれー随筆・323
大きな1年
跡上 富美
1
1東北大学
pp.1034-1035
発行日 2011年11月25日
Published Date 2011/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102048
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「ともに,前へ 仙台」
「ともに,前へ 仙台」 赤い背景に白く書かれた文字が,仙台市役所には掲げられています。今年は私にとって,いろんな出来事に遭遇する1年となっているようです。東日本大震災からようやく半年となりましたが(原稿執筆時),それまでに感じたことを書いてみようと思います。
予期せぬことはやはり突然にやってきました。今年の3月は,私にとっての区切りとなる時でした。3月早々に博士論文の審査結果を受け取り,合格の知らせに心の底から安堵に浸りながら10数年ぶりになる修了式への参加を待ち望んでいました。3月9日には,論文を製本するためのデータを作り,生協の窓口で発注していました。手にするはずの黒い表紙の製本を思い浮かべながら,ある種の達成感に浸っていたのだと思います。しかし,そんな蜜月はあの11日の大震災でどこかに吹き飛ばされてしまいました。
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