連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・6
神様からの「使命」
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.820-821
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100824
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「妊娠したみたいなの」
ある日,近所に住む顔見知りの主婦アニが友人たちとクリニックにやって来た。患者がいないのを見計らって診察室に入ってきた彼女は小さな声で私にささやいた。「妊娠したみたいなの」。
診察の結果,妊娠の可能性が高いと告げた。彼女は外で待っている友人たちに「やっぱりそうだった」と言うと,友人たちが「アニはもうすぐ血だらけだー,お産をするぞー」と囃し立てた。私が「予定日はまだまだだよ」と言うと周りの人々はケラケラ笑った。アニ自身も「もうすぐお産で血だらけだー」と一緒になって苦々しく笑った。
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