研究・調査・報告
乳頭マッサージ―自然な陣痛促進法
大本 純子
,
大野 明子
1
1医療法人社団萌木会明日香病院産婦人科
pp.167-172
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100674
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はじめに
乳頭刺激コントラクションテストにより,有効な子宮収縮が惹起されることはよく知られる1)。また,オキシトシン点滴あるいは乳頭刺激による陣痛誘発法を前方視的に比較し,乳頭刺激が経済的で有効とする報告もある2)。
乳頭マッサージが子宮収縮を有効に増強するのであれば,それは薬剤や器械による陣痛促進法に比べ,おだやかで可逆的な,つまり自然な陣痛促進法となり得る。当院ではこの有効性を検証できたので報告する。
さらに,新生児による乳頭の吸引刺激が脳下垂体後葉からのオキシトシン放出を起こすことは射乳反射としてよく知られる3)。そこで,乳頭マッサージによるオキシトシン分泌亢進が陣痛を増強させるという仮説を立てた。これを検証するため,乳頭マッサージの前後で,血液中オキシトシン濃度を測定した。この結果についても述べる。
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