特集 知っておきたい「アレルギー」の話
アレルギーの考え方と栄養指導―母乳・人工乳・離乳食はどうするか
柴田 瑠美子
1
1国立療養所南福岡病院小児科
pp.118-124
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100663
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はじめに
食物アレルギーは乳幼児の8%にみられ,アナフィラキシーショックなどの即時型アレルギー症状が誘発され,日常の食生活に注意を要する疾患である。また乳幼児期のアトピー性皮膚炎は,食物アレルギーを合併することが多く皮疹の増悪因子となっている。
食物アレルギーでは,アレルギーの発症予防,治療にアレルゲン食品の除去食療法が行なわれるが,これらのアレルゲン食品は高蛋白質のものが多いことから,乳児期の栄養に配慮した指導が必要である。一方,周産期を通じての食物アレルギーの発症予防としての除去食指導については混乱しているのが現状である。ここでは,①乳幼児の食物アレルギーの現状と治療としての除去食・栄養指導,②アレルギー発症予防に対する最近の知見に基づいた栄養指導のあり方を述べたい。
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