特集 知っておきたい「アレルギー」の話
アレルギー検査の実際―いつ頃・どんな検査があるのか
石垣 信男
1
1稲城市立病院小児科
pp.107-112
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100661
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はじめに
乳幼児に多いアレルギー疾患としてアトピー性皮膚炎がある。マスコミにも多く取り上げられることから母親が過敏になっている傾向が強い。最近では,軽い湿疹を認めるだけでアトピー性皮膚炎を心配し受診する母親や,母親が勝手に診断して検査を希望して外来にやってくることも珍しくない。検査をしないで診察を終わろうとすると納得しない母親もいる。
一般に乳児に多いアレルゲンは卵白や牛乳を中心とした食物である。食物アレルギーの治療は除去食療法が中心である。よって治療薬以上に適切な診断(アレルゲンの検索)により必要最低限の除去を行なうことが重要である。血液検査のみで診断し,除去食を行なうと,必要のない食物まで除去をすることになりその結果,栄養不良の原因になることが過去には問題になった。また,検査で大丈夫だからといって除去をしないで症状の改善をみないこともある。本稿では外来で一般に行なわれている検査の解説とその有用性について説明する。
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