研究・調査・報告
新しい妊娠月数別BMI簡易表の提案―天理よろづ相談所病院での妊娠中の肥満度(BMI)の調査から
河野 しづゑ
1
1天理よろづ相談所病院産婦人科
pp.255-258
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100490
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はじめに
妊婦に対し肥満予防のための保健指導は必ず行なうことである。妊娠中の肥満度を判定するために多くの方法が提唱されており,代表的なのはBMI[Body Mass Index,カウプ指数:体重(kg)/(身長)2(m)]である。BMIは身長による影響が少なく皮下脂肪厚とよく相関し,妊娠中毒症発症率とも高い相関を示すことから有用とされている1)。
1988年日本産婦人科学会栄養問題委員会が妊娠週数別・月数別のBMI(以下「日産婦基準」と略す)1)を発表して以来,多くの施設や文献で基準とされてきた。
しかし近年,実際の値は「日産婦基準」の指数よりもう少し低いのではないかとする意見が聞かれ,中村らは「現代のスタイルのよい若い女性にとっては甘すぎるような印象をもつことがある」2)と述べている。また私自身が天理よろづ相談所病院産科外来で妊婦の体重増加量を判定する際,同様の感想をもつことも多くなった。このため当院での現状を知るべく調査を行なったので報告する。
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