連載 英国助産婦学生日記・その26
分娩40件まであと一歩
日方 圭子
1
1英国・サリー大学助産課程学生(ダイレクトエントリーコース)
pp.269
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100494
- 販売していません
- 文献概要
11月中旬から6週間実習が始まった。普通,学生が新米助産婦と組むことはないのに,この期間分娩室に学生が多かったためメントー不足で,この夏卒業したての助産婦たちとも仕事をした。ほとんどがサリー大学卒業生で,つい先日まで学生の制服で実習していた馴染みの顔。中には自信なさげに見える人もいる。私たちも「学生」から「助産婦」の制服に着替え,仕事を始めるまであと1年足らず。そう思うと本当に大丈夫かな,と不安にもなる。
ロンドンでダイレクトエントリーコースの3年を終えてすぐ,こちらに移って来たモニカは,実習先の大病院が田舎の東サリー病院と比較できないほど忙しかったらしく,メントーを割り当ててもらえることなどなかったと言う。まさに自分の体験から学ぶ3年間で,57例のお産を取った。モニカは若く見えるのに4人の子持ち。そのおおらかな性格のためか,あるいは学生時代の経験の豊かさからか,どっしりとかまえていて新米とは思えない風格がある。彼女は学生が必要としていることもよく分かっているため,いっしょに仕事をしていて楽しいし,勉強になる。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.