特集 中絶のケア
月寒グロリアクリニックの実践―与えられた小さないのちを救いたい
清野 喜久美
1
1月寒グロリアクリニック
pp.207-212
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100482
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はじめに
医療技術の進歩とともに,医療従事者の生命観,倫理観の確立が近年重要視されつつある。特に助産師は,「生命とは何か」を根本から問いかけられる場面に出会う機会が度々ある。青木1)は「助産の歴史においても,間引や,奇形児の抹殺,人工妊娠中絶等生命の存続に関連する苦悩を味わいつつ今日に至っている」と述べているが,助産に携わる者にとって直面し続ける課題といえよう。
さらに,10代の人工妊娠中絶が増加しており,「性の低年齢化」は,人間としてもっとも大切ないのちの尊さを軽視する風潮を助長しているように思う。
当月寒グロリアクリニックは開院以来小さないのちを助けるためと,苦悩の中に陥れられている女性を救うための援助を微力ながら展開してきた。その実践を報告する。
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