特集 緊急帝王切開,事前・事後にできること
病院内の事前対策・院内シミュレーション
横山 いずみ
1
1愛育病院産科病棟
pp.591-595
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100239
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はじめに
当院では年間約1,600件の分娩と,PICU,NICU・GCU,小児外科などを合わせ持つ総合周産期センターとして,近隣地域からも多くのハイリスク妊娠の母体搬送を受け入れている。2004年度では,帝王切開が322例と全分娩数の約19%を占め,そのうち緊急帝王切開は37.4%であった。他院からの母体搬送は94例あり,うち帝王切開は45例と半数近くにのぼっている。
欧米では15分以内に緊急帝王切開ができる分娩施設はグレードIとランク付けられ,30分以内がグレードII,30分以上はグレードIIIとされる。グレードIIIの施設では正常分娩しか取り扱えない。ハイリスク妊娠などの管理と分娩は,その緊急度に応じてグレードIとグレードIIに振り分けられる。当院ではグレードIをめざして努力しており,医療スタッフ一同も一定の能力水準を保つためのトレーニングとして,定期的な緊急帝王切開のシミュレーションを行なっている。
本稿ではこうしたシミュレーションの実際と,その内容を紹介したい。
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