特集 母乳育児支援の基本のき
発育パターンと母乳育児との関係
張 尚美
1
1医療法人尚徳会ヨナハクリニック小児科
pp.486-490
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100121
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はじめに
WHO/ユニセフは生後6か月間は母乳だけで,その後も適切な栄養を補いながら生後2年以上母乳育児を続けるよう提唱しています1)。乳幼児の発育パターンを理解する時には,本来,このような方法で育つ乳幼児をスタンダードとするべきと考えられます。
日本の母子手帳に記載されている乳幼児の成長に関する標準曲線は,10年毎に厚生労働省が実施している乳幼児身体発育調査に基づいて作成されていますが,栄養方法は考慮されていません。平成12年の調査書には,「1~2か月時の母乳率44.8%,人工乳率11.2%,4~5か月時の母乳率35.9%,人工乳率39.5%」2)と記されています。母乳だけで育つ児の割合のほうが,混合栄養児と人工栄養児を合わせた児の割合よりも少なく,標準曲線は母乳育ちの児の成長を正確には反映していないことが予想されます。
母乳育ちの児の発育を評価するには,母乳育ちの児の発育パターンを知る必要があるでしょう。
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