特集 国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)による母乳支援
母乳育児成功のために—「母乳育児10カ条」のエビデンスを中心に
瀬川 雅史
1
1勤医協札幌病院小児科
pp.475-480
発行日 2000年6月25日
Published Date 2000/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902420
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はじめに
「母乳育児を成功させるための10カ条」(以下「10カ条」,表1)は,WHO・ユニセフが1989年に発表した共同声明「母乳育児の保護と推進・支援:産科施設の特別な役割」の要約で,母乳育児の指針のグローバルスタンダードとなっている。わが国の「10カ条」の理解は着実に広がってはいるが,昔から行なわれてきた母乳育児に関するケアや考え方も根強く浸透しており,それが「10カ条」の正確な実行を阻んでいるとも思われる。
本稿では,母乳育児の指針として「10カ条」が打ち出された科学的な証拠(エビデンス)について,WHOの『Evidence for the Ten Steps to Successful Breastfeeding』1)に基づいて述べてみたい。
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