レポート
今こそ,立ち上がろう!助産師 「開業助産院,院内助産院を目指して」―助産師活動支援プロジェクト IN 岩手
国枝 幹子
1,2
1矢島助産院
2国際医療福祉大学大学院
pp.418-419
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100108
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岩手の状況,知っていますか?
岩手といえば,宮沢賢治や石川たく木が有名だ。このプロジェクトの依頼があってからというもの「西にお腹の大きな妊婦がいれば,行って腰をさすり,東に赤子が泣けば,行って抱いてやり…,そんな助産師になりたい」と,宮沢賢治の詩に準えてまとめようと思っていた。岩手に着いて話を聞いてみると,岩手の産科医療の現状は深刻だった。産婦人科医ゼロの地域も増えてきている。岩手県内の年間出産件数1万2,000~1万3,000に対し,出産を扱う医師が80人,医師1人当たり産婦150人となる。東京の年間出産件数は約10万人で,出産を扱う医師1,397人,医師1人当たり産婦約70人で,数字だけで一目瞭然である。容易に今いるところの忙しさで手一杯なのだと想像できる。
苦しい現状にも屈せず立ち上がるのが助産師だと,この職業にある人の篤さを感じた。今回の助産師活動支援プロジェクトは,岩手県立大学教授の石井トク先生の発案で,団結力のあるスタッフ陣により企画・運営された。岩手での助産師の技術や知識を高め,助産師外来や将来的には開業助産院を増やすことに,できる限りの協力を惜しまないという。
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