活動報告
「全国児童相談所保健師のつどい」の始まり—2019年からの歩みとこれから
安藤 継子
1
,
杉山 眞澄
2
,
藤田 登志美
2
1元静岡県立大学看護学部
2静岡県立大学看護学部
pp.318-322
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664202085
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
2016(平成28)年の児童福祉法の改正では、第12条に児童相談所に医師又は保健師の配置が明記され、併せて「児童相談所強化プラン」の中で、保健師の増員が明記された1)。その後、東京都で発生した女児虐待事件の問題から、2018(平成30)年7月20日に「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」が閣僚会議で決定され、児童相談所の児童福祉司や児童心理司の増員と共に、2022(令和4)年度までに全児童相談所に保健師の配置をするよう示された。2022年4月1日現在、全国228か所の児童相談所に229人の保健師が配置されている2)。
筆者らは、2018年に児童相談所の保健師を対象に、保健師の業務、虐待対応ではどのような役割をしているのかなど、活動の実態を明らかにすることを目的に全国の児童相談所保健師に郵送による質問紙調査を実施した3)。6割近くが1人配置の職場に勤務し、医療機関対応や性教育、精神保健や乳幼児の疾患などに関する対応など専門性を生かした活動が行われていることが明らかになった。一方で、児童福祉司の業務を担っている人や一時保護所で勤務している人もあり、保健師の業務が明確になっていないことや福祉の法令知識や経験不足等から、悩みながら仕事をしている保健師の実態が浮き彫りとなった。
そこで、研修と保健師相互の情報交換の場とするため、2019年度に「令和からはじめよう!全国児童相談所に働く保健師のつどい」(以下、つどい)を企画し開催した。その後、2021年度まで継続し、一定の区切りを迎えたので、その概要を報告する。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.