FOCUS
高齢者施設における新型コロナウイルス感染症集団発生—みなと保健所における保健師活動を振り返って
阿部 由奈
1
,
新井 久子
1
,
堀 成美
2
,
関口 有華
1
,
寺戸 尚美
1
,
石井 友子
1
,
糟谷 優
1
,
舟木 素子
3
,
松本 加代
4
1港区みなと保健所保健予防課
2港区感染症専門アドバイザー
3前港区みなと保健所保健予防課(報告当時)
4港区みなと保健所
pp.406-412
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201658
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はじめに
2021(令和3)年1月上旬,東京都では新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)の新規感染者数が1日当たり2500人以上を記録していた。そのような状況の中,東京都港区に所在する民間民営の高齢者施設でCOVID-19の集団感染が発生した。
本事例における集団感染は,特別養護老人ホームに併設されたグループホームの2つのユニット(A・B合わせて18床)での発生であり,入居者18名全員が認知症を基礎疾患として持っていた。陽性となった入居者は,病床逼迫や認知症を理由に入院先が見つからず,予防行動の遵守が難しい中,施設内でのケアを継続せざるを得ない状況であった。
本事例では,1例目の把握から23日間で施設でのCOVID-19対応を終了した。本事例における保健師活動と今後の展望を報告する。
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