研究
保健師現任教育の現状と課題について—地域保健法第六条六項を根拠とした保健師の組織的人材育成
佐藤 香織
1
,
田城 孝雄
2
1放送大学大学院文化科学研究科
2放送大学大学院
pp.862-867
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201528
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要旨
目的:地域保健法(昭和二十二年法律第百一号),「地域保健法第四条第一項の規定に基づく地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(平成六年十二月一日厚生省告示第三百七十四号)では,保健師に関する保健所の役割を明記している。そこで,保健師の人材育成に関する方針や計画の策定状況を把握し課題を検討するために,地域保健法施行令(昭和二十三年政令第七十七号)第一条第一項に定める指定都市と第二項に定める中核市の保健所(複数保健所を有していない市)へ質問紙調査を行った。
結果:保健所を複数有さない指定都市と中核市の全数調査を行った。指定都市の有効回答率は11.1%と低かったが,中核市の有効回答率は,43.8%(N=48)であった。そこで,中核市に関する調査を分析した。保健師の人材育成に関する方針・計画は策定されていないが最も多かった。また,策定されていたとしても市職員の位置付けというよりは保健師職が専門職の集団として作成したものが多かった。人材育成の課題については,時間の調整に関することが最も多かった。
結論:今後,市の人材育成に関する方針を基盤として,地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第六条第六項に基づく保健所の役割を活かした保健師の人材育成を組織内の体制として構築することが必要である。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.