活動報告
都市型介護予防モデルの開発—JAGES「松戸プロジェクト」の概要
櫻庭 唱子
1,2
,
赤﨑 美冬
3
,
亀田 義人
4
,
長嶺 由衣子
2,5
,
近藤 克則
2,3,4
1千葉大学大学院医学薬学府医科学専攻
2一般社団法人日本老年学的評価研究機構
3国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター老年学評価研究部門
4千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門
5東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医歯学専攻全人的医療開発学講座総合診療医学分野
pp.688-694
発行日 2019年8月10日
Published Date 2019/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201252
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
厚生労働省は,二次予防中心の介護予防の限界から,一次予防である住民主体で運営される「通いの場」等を増やす「まちづくりによる介護予防」推進へと施策の見直しを行った。事例の多くは,行政と拠点運営ボランティアが中心となった中小規模の市町村における取り組み1)であった。日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクトによる愛知県武豊町における「武豊プロジェクト」などの取り組み2)も,その例外ではない。
今後,高齢者が急増するのは大都市部である。厚生労働省が目指すように,高齢者人口の10%が「通いの場」等に参加するには,50万人都市なら500か所程度の「通いの場」が必要であり,行政とボランティアだけでは十分な「通いの場」の運営ができない恐れがある。一方,大都市は退職者,企業やNPOなどの資源が豊かで,それを生かした「都市型介護予防モデル」(後述)が導入できる可能性がある。
本稿の目的は,「都市型介護予防モデル」開発を目指したJAGES「松戸プロジェクト」の概要,2017(平成29)年の開始から1年間のプロセスや今後の課題などを記述することである。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.