今月の主題 心筋梗塞—今日の問題点
治療
発作から移送まで
森杉 昌彦
1
1森杉内科医院
pp.77-79
発行日 1977年1月10日
Published Date 1977/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207027
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はじめに
近年,虚血性心疾患患者が急速に増加していることは,深刻な問題としてわれわれ開業医が直接肌に感じている事実である.その中でも,生命に直結する重篤な疾患である心筋梗塞は,その発症が突発的であるために,初期の最も危険な時期の処置は開業医の手にゆだねられることが多く,しかもこの時期の処置の適否が予後を大きく左右する.したがって,発症直後の患者にどう対処すべきかについて開業医は重大な関心を持っている.
"実地医家のための会"は,昭和41年に過去10年間に全国の会員が扱った心筋梗塞例に関する共同調査の結果を発表し,今回再び昭和41年より50年末までの心筋梗塞患者149例について第2回共同調査を行った2).この2回の調査から,発症直後の心筋梗塞患者をとり扱った開業医のなまなましい体験と,過去20年間の診断・治療・予後などの変遷がうかがえるので,それらの事実を参考にしながら,往診先のベッドサイドで得られる貧弱な情報をどう判断し,いかに対処すべきかについて考えてみたい.
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