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『日本の医療 その仕組みと新たな展開』―近年の医療制度改革および医療保険制度改革を理解するために必携したい1冊
朝倉 京子
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1東北大学大学院医学系研究科看護教育・管理学分野
pp.83
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200363
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2014(平成26)年には,地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(医療介護総合確保推進法)が成立し,保健師にとって目の離せない医療・介護両分野の総合的な改革となった。この改革を理解するためにうってつけの本が出版された。旧厚生省と厚生労働省で長く社会保障・医療行政を担当し,2015(平成27)年まで内閣府で社会保障担当の審議官を務めた岩渕豊氏が執筆した「日本の医療─その仕組みと新たな展開」である。
本書の強みは,大まかにいって2つある。1つは,医療介護総合確保推進法の理解に最適だということである。本書は,2013(平成25)年に出版された『日本の医療─成り立ちと仕組みを学ぶ』(岩渕豊著,中央法規出版)に最新の動向3項目を書き加えて出版されている。その3項目とは,社会保障と税の一体改革の進展,医療介護総合確保推進法による改正(2014年医療制度改革),持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律(2015年医療保険制度改革)である。最近の医療制度改革の方向性を決めた社会保障と税の一体改革を含めて,2014年から2015年にかけて行われた医療制度改革と医療保険制度改革を理解するために,本書は必ず役に立つに違いない。
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