連載 保健師のための行政学入門・13
なぜ「行政責任」という言葉に敏感に反応してしまうのか?
吉岡 京子
1
1東京医科大学医学部看護学科地域看護学
pp.72-76
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200359
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学生にはあまりピンとこない
「行政責任」という言葉
大学生や大学院生に向けた講義の中で,「行政責任という言葉を聞いて,どんなことをイメージしますか?」と質問することがある。多くの場合,「行政責任と言われても,あまりよくわかりません」とか,「何のことかピンときません」と言われる。現場で仕事をしている方にはちょっと信じられないかもしれないが,「行政責任」について大学生や大学院生に理解してもらうことはなかなか難しいようである。
かつての自分も非常にのんきな学生であったため,当時この概念について理解することはできなかったと思う。ピンときていない現在の学生の肩をもつわけではないが,もしかしたら学生時代に責任が問われるような経験はあまりしていないのではないだろうか。アルバイト先でお客様に何か大きな粗相をしてしまったときに始末書を書くことはあるかもしれないが,ミスをしても「アルバイトだから」とか「学生さんだから」ということで正社員の方が肩代わりしてフォローしてくれる場合が多いことも影響しているかもしれない。
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