連載 姫井先生と考える 健康に生き抜くためのヒント・16
慢性的に不健康な人たちへの対応―改善と予防のためのアドバイス
姫井 昭男
1,2
1PHメンタルクリニック
2大阪医科大学神経精神医学教室
pp.620-624
発行日 2014年7月10日
Published Date 2014/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664102472
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保健師がいくら時間や手間をかけて保健指導を行い,生活習慣改善のためにアプローチをしても,よい成果が得られないケースは少なからず存在します。これらのケースに出会うと,経験豊富な保健師は直感でうまくいかないことがわかってしまうため,打っても響かない相手にどうしてこれほど時間を費やさねばならないのかと思う反面,だからと言って何もしないということは保健師の存在自体を否定することになると思い,ジレンマに陥りやすいのです。
この連載の2回目(2013年5月号)で,健康に対しての意識を高めるための工夫について紹介したところ,それを参考に保健指導内容を改良したという意見をいくつかいただきました。そこで共通する意見は,「若い世代には非常に効果を得られたという印象を得られたものの,中高年,とくに40代後半からの世代にはほとんど効果が得られなかった」というものでした。後者の特徴をもつ人たちは潜在的に多いと考えられ,今後増えていくと予想されます。
今回は,慢性的に不健康な状態から抜け出させるために,そうしたケースにアプローチするための方法と考え方を紹介します。
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