調査報告
「憩いのサロン」参加者の健康情報源と情報の授受―サロンは情報の授受の場になっているか?
大浦 智子
1
,
竹田 徳則
1
,
近藤 克則
2
,
木村 大介
1
,
今井 あい子
1
1星城大学リハビリテーション学部作業療法学専攻
2日本福祉大学健康社会研究センター
pp.712-719
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664102226
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要旨
介護予防では,まちづくりなどによる1次予防が注目される一方で,その効果と影響経路は十分に明らかにされていない。本調査の目的は,1次予防としての「憩いのサロン事業」(以下,サロン)への参加者において,サロンが健康に関する情報の入手源となっているか,サロン参加で情報的サポートの授受が増えるかを検討することである。
A町の介護予防事業であるサロンの参加者で2年連続で自記式調査に協力が得られた172人を対象に,参加形態(ボランティア,一般参加者)別に2010(平成22)年度は健康関連の情報,2011(平成23)年度は食・運動に関する情報の入手源(複数回答)の割合と情報的サポート授受に関する変化を分析した。
情報の入手源はテレビやラジオが最も多かったが,より高齢で情報源の数が少ない一般参加者において,健康関連の情報源ではサロンが3番目に多く,食,運動の情報源ではサロンが2番目に多かった。ボランティアでも,サロンが食で4番目,運動で3番目に多かった。サロン参加によって健康関連の情報的サポートの授受とも増えた者の割合は,ボランティアで61.7%,一般参加者で57.6%だった。
サロンは,とくに一般参加者にとって主要な健康関連情報の授受の場になっており,健康情報の伝達と情報的サポートの増加により介護予防への寄与が期待できると思われた。
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