PHOTO/PICK UP 「まちづくり」の現場・65
「いい歯は地域の財産」―垂水市と喜界町での歯科保健の取り組み/ヘルスプロモーションの考え方による歯科保健の取り組み―鹿児島県垂水市と喜界町の挑戦
栗野 孝子
1
,
小野 星吾
1
1鹿児島県大島支庁保健福祉環境部(名瀬保健所)
pp.341-343,376-379
発行日 2009年5月10日
Published Date 2009/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101195
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.6歳児のむし歯有病率で全国ワースト3に入った鹿児島県。なかでも県平均より高い状況にあった垂水市と奄美大島の喜界町が歯科保健対策に取り組んだ。生まれて育ちゆく子どもたちの歯を守ること,「いい歯は地域の財産」との認識で,行政と保健所と歯科医師会,口腔保健協会が協力し,住民が変わり,まちが変わった。
鹿児島県垂水市と喜界町の概要
鹿児島県は南北に長く,世界自然遺産の屋久島や南国の自然あふれる奄美諸島など多くの離島を有する県で季候も温暖です。2008年はNHKの大河ドラマ「篤姫」で大いに盛り上がりました。
今回,歯科保健に取り組んだ垂水市は,いまもときおり空高く噴煙をあげる桜島に隣接する,人口1万8152名,出生数111名,高齢化率34.7%,歯科医院数10件の市で,垂水(たるみず)という名のとおり,豊かな水と温泉に恵まれています。また,喜界町は奄美大島からプロペラ機で約10分の所に位置し,周囲約49kmの珊瑚礁の隆起によってできた,人口8397名,出生数72名,高齢化率32.6%,歯科医院数3軒の,珊瑚の海に囲まれた美しい島です。いずれも,住民同士のつながりがまだ強く残っています(人口は2007年10月1日現在,出生数は2006年10月1日~2007年9月30日)。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.