連載 ニュースウォーク・131
介護保険黒字3800億円の怪
白井 正夫
1
1元朝日新聞
pp.148-149
発行日 2009年2月10日
Published Date 2009/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101148
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夫69歳,妻67歳の2人暮らし。年金から天引きされる介護保険料(年間)は夫が約10万円,妻が約5万円。2人とも元気で,いまのところ介護保険との付き合いは保険料納付だけで,給付を受けたことがない。喜ぶべきことなのに,近ごろ得心がいかない。夫婦で15万円を「税だから」と己に言い聞かせても思いがわだかまる。その介護保険自体が“いまや「要介護」状態にある”(2008年12月7日付,朝日新聞「耕論」)と聞いてはなおのことである。
3年ごとに改定される介護保険の保険料や介護報酬は2009年度が改定期。この改定をめぐっていろいろな数字が躍っている。「報酬引き上げは3%」「介護保険料4%アップ」などなど。そのなかでこれって何! と思わず目を疑いたくなるのが「介護保険の黒字3,800億円」。
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