連載 ニュースウォーク・121
「末期治療文書」75歳線引きの怪
白井 正夫
1
1元朝日新聞
pp.372-373
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100975
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お年寄りの呼称が「老人」から「高齢者」に変わったのは,介護保険制度が導入される前夜ともいうべき1990年代半ばだったと記憶している。
いつの時代にも「四支動かず,百節皆いたみ,身体はなはだ重く…」(万葉歌人,山上憶良の詩文)と,介助が必要な人はいる。一方で年を取っても元気な人も。介護保険を前に「老人」は福祉を受ける,介護が必要な弱者というイメージが強いとして,国や地方自治体が次々と「高齢者」に切り替えたのである。
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