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健保の赤字1千億円
pp.1028
発行日 1966年7月10日
Published Date 1966/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201396
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与野党の意見が激しく対立した健康保険法の改正案は,去る4月末可決成立したが,当初千分の70に引き上げるべく予定されていた政管健保の保険料率の改正が,野党の反撃にあつて千分の65にとどまつたため,昭和41年度の単年度で224億円の赤字が予想され,累積赤字を加えると1千億円に近い食糧管理特別会計なみの赤字をだす見通しとなった。
政管健保は,昭和37年度から収支のバランスがくずれ,昭和39年度には積立金のすべてを使いつくしてなお173億円の繰り越し赤字をだした。昭和40年度は単年度で535億円の赤字が見込まれたが,同年11月から実施された薬価基準の改正による支出減によつて523億円の赤宇となつたため,累積赤字は696億円となつた。このままで推移すると,昭和41年度単年度の赤字は720億円と予想されたので,政府は標準報酬の上限5万2千円を10万4千円に引き上げて138億円,保険料率を千分の63から千分の70に引き上げて290億円,国庫補助150億円,薬価基準の改正による支出減44億円,行政努力98億円,合わせて720億円の収入増加をはかり赤字をださない計画であつた。
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