連載 医者も知りたい【医者のはなし】・46
江戸中期の医師 後藤艮山(1659-1733)
木村 專太郎
1
Sentaro Kimura
1
1木村専太郎クリニック
pp.628-630
発行日 2011年7月25日
Published Date 2011/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102040
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■はじめに
後藤艮山のことは,一般にあまり知られていないが,江戸中期の重要な医者である.昔の医者は僧侶と同じく剃髪していたが,艮山は剃髪せずに,長髪のまま医者稼業を全うしている.また当時医学の主流であった陰陽理論や五行理論といった抽象的な理論に基づく後世派医学に対抗して,「傷寒論」や「金匱要略」などの臨床に基づく医療を重視する名古屋玄医と後藤艮山をはじめとするの「古方派」の医学が台頭してきた.そして艮山の弟子,香川修庵,吉益東洞と山脇東洋たちが,その考えを踏襲し,その後の江戸時代医学の中心を形成していった.
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