特集 在宅ターミナル 逝く人の支援を考える
なぜ,いま「地域ケア」が求められるのか―東京都の現況をもとに
村田 由佳
1
1東京都福祉保健局高齢社会対策部在宅支援課
pp.218-222
発行日 2008年3月10日
Published Date 2008/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100946
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東京都は高齢化が進み,多くの高齢者が在宅介護を受ける一方,世帯規模の縮小が進み,家族による介護力の低下が見込まれる。地域ケアが求められる背景には,①医療費適正化や療養病床の再編などといった制度的な背景,②医療の高度化により在宅療養が可能になったことや在宅療養を望む声自体が多いといった本質的な背景,がある。地域ケアの実現には,①住民へ向けた地域ケアの意義の明確化,②地域ケアを担う人材の確保,③多職種連携チーム,コーディネーターの確保,④多様な在宅支援機能の確保,⑤多様な暮らしの場の確保,⑥地域コミュニティの再生,などといった課題がある。保健師には,医療と介護・福祉との連携の要になるとともに,地域高齢者の生活像などを的確に把握する役割が求められる。
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