連載 BOOKS
―ヘルスプロモーションの有効性に関するエビデンス―質的情報の有効性を示した斬新な一冊
平野 かよ子
1
1国立保健医療科学院公衆衛生看護部
pp.508
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100702
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本書はヨーロッパにおける公衆衛生政策の論争に対して提言を行うため,多領域からの参加を得た野心的なプロジェクトがIUPHEの財政的な支援を受け,過去20年間のヘルスプロモーションの有効性に関するエビデンスを集積し委員会へ報告したものである。
健康を規定する要因としては,個人の保健行動や保健医療サービス利用などの要因と,社会的・経済的・環境的な要因があるとして,これらの諸要因に対する有効性について項目を立てエビデンスを示している。しかし,何をもって「有効である」とみなすかは,政策や財政の立場,あるいは実践者の立場,受益者の立場,研究者の立場によって視点や強調点が異なることを指摘し整理している点が斬新的である。
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