連載 BOOKS
―地域特性に応じた保健活動 地域診断から活動計画・評価への協働した取り組み―「地区診断」の理論を貫き,現在の保健計画を再確認
牧野 由美子
1
1島根県益田保健所
pp.939
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100584
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本書の「はじめに」を読み進むうちに,全身が泡立つのに気づいた。21世紀の初めに本書が出版されることは,まさに日本の公衆衛生における必然であったかもしれない。
日本の公衆衛生活動は,1960(昭和35)年の「共同保健計画」のなかで打ち出された「地区診断」の理論が,意識的・無意識的なバックボーンとなってきた。それから約50年弱が経過した今日,この地区診断と保健師活動は,日本の公衆衛生を世界のトップクラスにまで引き上げた。私の保健所従事歴20年のなかでも「地区診断」と「保健師活動」はいつも『師』であった。その保健師活動が21世紀の初頭を迎えたいま,大きな壁にぶつかっている。この壁の実情,背景,そして今後にむけてどのような視点が重要で,具体的にどう展開していけばよいのかを,今日的な課題を例に理論的に,しかも実践的に説いた書である。
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