活動報告
K町における地域の子育て支援システムの構築―3地区のエンパワメント・プロセスを通して
尾形 由起子
1
,
山下 清香
1
,
山野 利恵
2
,
井上 恵理
2
1福岡県立大学看護学部
2福岡県苅田町健康福祉課健康づくり係
pp.976-981
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100343
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わが国は少子化が進行し,2003年の合計特殊出生率では1.29と,人口を維持に必要な水準である2.08を大幅に下回っている状況が続いている。その背景には,①結婚観の変化に伴う晩婚化の進行,②女性の社会進出による子育てと仕事の両立の負担感や子育てそのものに対する負担感の増大,があげられる。また,わが国の子育て環境は,バブル経済の崩壊や失業率の上昇など不安定な経済状況,地域の都市化・核家族化,人間関係の希薄化など地域社会の崩壊の進行などが育児における母親の過剰負担や孤立化をつくり出し,結果的に子どもの心身の発達に悪影響を及ぼしている。
虐待防止対策を報告している大阪レポートでは,母親の仲間づくりが虐待防止に有効な方法とされている。地域で安心して子どもを育てるためには,育児の当事者である母親の主体的な参加のもとに仲間づくりを行い,母親らの意見を尊重した子育てしやすいまちづくりを進めていくことが重要である。
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