調査報告
「健康日本21」地方計画策定過程における住民と保健師との協働意識の形成
髙嶋 伸子
1
,
合田 加代子
1
,
中山 照美
2
,
荒谷 多香子
3
1香川県立保健医療大学
2国分寺町保健センター
3元国分寺町保健センター
pp.968-973
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100277
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■要旨
「健康日本21」の重要なコンセプトとして住民参画がある。これまで保健師は住民参画を重要と認識するものの,保健師主導の保健活動になっていた。
今回,A町では住民参画を中心に据えて「健康日本21」地方計画の策定に取り組んだ。そこで,A町保健師らに策定終了時に策定過程における住民参画についてグループインタビューを行い,逐語録にしたものを分析した。その結果,保健師からみた地方計画策定過程における住民参画の意義は,単に住民の参画状況でなく,住民と保健師との協働意識の形成過程であったことがわかった。それは以下のとおりである。
➀地方計画策定において,住民と保健師との相互関係は大きく「反発」「理解」「協働」の3段階で協働の形に至った。➁住民との協働の形に至ったのは,住民の役割意識と保健師の使命感が大きく影響したと思われる。➂保健師が使命感をもてたのは,役割が決められ,最後まで役割が変更されることなく遂行したからである。➃保健師の保健事業における住民参画の認識は,この計画策定に留まることなく日常の実践活動に活かせるものとなった。
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