連載 BOOKS
―「なるほど、解決!妊・産・褥婦のよくあるトラブル」早川有子・澤田只夫/著―妊・産・褥婦のトラブルの認識を新たにさせられる1冊
加藤 睦
1
1開業助産師・保健福祉センター
pp.1246
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100263
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ただいま第2子を妊娠中の私は,第1子のとき以上に,ヒシヒシと妊・産・褥婦のトラブルの重大さを感じている。助産師外来もない病院での勤務経験しかない私は,出産前後の場面しか知らない。経産婦は出産が軽く,育児経験もあり,母乳育児の確立も容易なことから,どちらかといえば「楽」なイメージであった。
ところが自分自身が妊婦になってみてビックリ。これほど妊娠中のしんどさが違うとは。私だけが特殊なケースなのかと思い多くの経験者に聞いてみると,ほとんど皆一様に「一人目よりしんどかった」と言う。自分は30代後半,知り合いも同じような年代が多く,そのせいもあるかと思われるが,いまや出産のピークは30代にあるといっても過言ではなく,それゆえに,これらのトラブルはますます増えてくるだろう。本書にもあるように,トラブルをかかえるリスクは経産婦のほうが多く,出産後も後遺症として残る確率が高く,育児負担が大きいのも経産婦である。多くの人は「産後はこんなもの」とあきらめているのであろうが,妊娠中からの積極的な取り組みによって症状の軽快・改善が見られれば,初産・経産にかかわらず,産後の育児も劇的に改善されることは想像に難くない。最初の妊娠のときから自分におこったトラブルの原因や解決方法を知り,実行できることは,次の妊娠にも非常に役立つ。
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