特集2 高齢者虐待には,こう対応する!
虐待の実像――家族内の葛藤
中村 京子
1
1九州看護福祉大学看護福祉学部看護学科
pp.1048-1049
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100223
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「高齢者虐待」という事態の背景には,その家族が刻み込んできた関係性の重積があり,地域社会からの隔絶がある。保健師は,このような家族にどのように向き合うべきか。
ある家族の出来事
■「離れ」という名の座敷牢
ハナさん(仮名)は戦争未亡人である。食べるに困り,2人の子どもは仕方なく養子に出したが,戦後は社員寮の寮母としてテキパキと働き,1人で生きてきた。しかし,80歳に近づいた頃から少しずつ物忘れが目立つようになり,生まれ故郷の実家に身を寄せた。
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