特別寄稿
アメリカの病院制看護学校における入学と退学状態
今井 敬子
1
1School of Nursing Woman's Medical College of Pennsylvania
pp.44-47
発行日 1969年10月1日
Published Date 1969/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908907
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私の勤めている病院制看護学校における,最近5か年の学生の保有率(後出表参照)をみてみると平均約75%となっている。毎年平均25%の学生がなんらかの理由で退学しているということである。これは別に他の学校に比べて高い率というわけではなく,Tate(1)の調査によると,病院制看護学校の全学生のうちの30%はなんらかの理由で退学するという。NLN(看護同盟)の調査(2)では,1964〜65年の病院制看護学校卒業生数26,795名,1965〜66年26,278名,1966〜67年(約)26,800名となっている。ベッドサイド看護を行なうプロフェッショナルな看護婦の不足が云々されている現在,病院制看護学校数そのものの減少(1964〜65年821校,1965〜66年797校,1966〜67年777校)および同時に,病院制看護学校入学生数の減少(1964〜65年39,609名,1965〜66年38,904名,1966〜67年33,300名)(2)という現象とかさねて,看護学校が入学した学生を100%卒業させえないということは,社会の要求する看護婦の需要を満たすことをますます困難にする。
入学した学生が100%卒業できてさえも,卒業後,国家試験にパスしなければ免許はとれず,資格ある看護婦をつくりだすことはできない。
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