某月某日
某月某日
岩本 保子
1
1厚生年金病院大阪高等看護学院
pp.64
発行日 1971年7月25日
Published Date 1971/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906491
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○月×日
日曜日。きょうは大学の科目終末試験の日である。私の心身は非常な緊張状態を呈している。試験というのはいつになってもほんとうにイヤなものである。ある種のあきらめと期待の感情をもって私はいつも試験を受ける。そのほうが楽だからである。
去年のある科目終末の時,私はフッと,クラスの学生に「私ね,きょう大学の試験なのよ。イヤーね」とこぼしてしまった。その時学生曰く,「うわーっ,先生でも試験うけるのイヤですか。想像できないなー。」「先生,大丈夫よ書けるわよ。強心臓をだして何でもいいから書いちゃいなさいよ」「がんばってきて下さいね」「いってらっしゃーい,がんばって」等と学生の声援に送られて試験をうけに行ったことがある。なんとなく,この年になって試験に悩まされている自分をあわれにかんじていたが,その時ばかりは本当に嬉しく,ウキウキ(?)してしまった。
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