学院長より一言
現代看護教育の要諦
水野 知文
1
1岡山県立短期大学看護科
pp.58-59
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908876
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現在の県立短期大学看護科の誕生はそもそも昭和37年にさかのぼる。岡山県は県立の総合病院のない関係上,国立岡山病院を臨床実習の場に依頼して,高看制度で一先ず発足したのであるが,定員50に対し初年度に入学を許可された者僅か18,次年度は28,3年目が20という開校の目的から見て極めて芳しくない成績であった。
そこで関係者はその理由を鳩首検討の末,制度を学校教育法の本流へ脱皮させることが急務であるとの結論に達し,昭和40年,思い切って既設の県立短大(食物・体育の二科を擁す)の中へ看護科として昇格させることに踏み切った。効果は顴面であったのである。すなわち応募人員は第一回は定員の2.8倍,二回目は8.0倍,三回目の今年は7.3倍で合格者の質も極めてよくなった。ちょっとした受入れ態勢如何で,人の心がこうも転回するものかと感じ入った次第であった。かくして制度改革の実は一応上ったことになったのであるが,新制度の下,より高きものを求めてやまぬ気鋭の学生たちが,果して立派な成長をとげて卒業し,期待に応えるような方角に向って社会に雄飛して呉れるかどうかは甚だ疑問である,今後の県当局や大学の教育的配慮如何に大きくかかっていることは否めないと思うのである。
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