シンポジウム 看護教育の問題点—第15回日本病院学会から
現存する看護教育の問題点
森表 つや子
1
1大阪大学医学部付属看護学校
pp.12-14
発行日 1965年8月1日
Published Date 1965/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908816
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悪循環をくり返すばかり
現在看護教育を担当いたしまして,現存する問題点を私なりに受けとめていることはひと言にして申し上げるならば,看護学校が正規の文部省の学校体系の中にはいっておらず,各種学校的存在であるということであります。各種学校なるがゆえに魅力がなく,優秀なる志願者も数多く得られず,卒業しても看護婦は激務のうえにサラリーも悪いので,さらに進学のコースを選びその実をとって満足感を得ているものも少なくはありません。こんなところにも看護婦不足の一要因がひそんでいるようにうかがわれます。
教育内容の充実面からみても,立派なカリキュラムを編成しても,大切な看護教育を担当する専門者もいなければ,そのポジションもないというような現状の学生指導状況では,その教育効果も得られず,かえって学生の学習意欲を阻害させていることといえましょう。
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