Guide for Teachers 授業の持ち方
長期入院を要する小児の看護
吉武 香代子
1
1都立豊島病院
pp.17-20
発行日 1963年11月1日
Published Date 1963/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908783
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小児看護のどこにウェイトをおくか
ひとつの教科を教えるにあたって,教師は,必ずしも多くの項目に平等にウェイトをおいて教えるとは限らない。私が小児科看護法を教える場合にも,私の教育方針に基づいて,私なりの濃淡の色分けがある。特に色濃く鮮かに描く箇所,それが「長期入院を要する小児の看護」である。
従来の各科看護法の講義が,多くの場合,各科に特有の看護技術の伝達と,各種疾患の看護(各種疾患患者の看護ではない)に傾きがちであったことを私は反省したいと思う。「長期入院を要する小児の看護」というものは,その病名に先立って,入院期間が長いという,共通の問題点の上にたって,患者には共通のニードがあり,看護の上に特別の配慮がのぞまれる。それは,従来の「○○病の看護」を羅列する教授法のカテゴリーから,逸脱するものであるかもしれないが,疾患別の看護から,患者中心の看護に移りつつある今日,「長期入院を要する小児の看護」というテーマは,新しい一項目としてとり上げられてもいいのではないだろうか。
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