厚生行政フォーラム
長期入院と在宅医療
厚生行政研究会
pp.496-497
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209080
- 有料閲覧
- 文献概要
我が国の疾病別平均在院日数は諸外国と比較して著しく長い(表1.残念ながらフランス,ドイツ,イギリスは比較できるデータが見つからない).70歳以上の循環器疾患でみてみると,我が国の長期入院もかなり地域差が大きいことが分かる(表2).しかし,多くの日本人は日本の入院日数が長いことに対して,まだ問題意識を持っていないようである.
今回我々は,前号で二木立氏に厚生行政の不合理の歴史的産物であると指摘された入院日数の長期化をテーマに取り上げてみたい.ここでは,なぜ入院日数が長いのか,入院日数が長いことにはどのような問題点があるのか,そして在宅医療は一つの解決方法として機能することができるかどうかについて考えてみたい.例によって新人類がとんでもないことを考えているとお思いの方もおられるだろうが,我々は不合理な歴史的産物に甘えている日本医療の伝統だけは継承したくはないと考えているのである.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.