——
血圧測定の実技指導における血管音聴取訓練の効果
小林 八代枝
1
,
奥野 茂代
2
,
谷岸 悦子
3
,
竹尾 恵子
4
1大宮赤十字看護専門学校
2日本赤十字社幹部看護婦研修所
3日本赤十字武蔵野女子短期大学
4東京大学医学部保健学科看護学教室
pp.32-38
発行日 1988年1月25日
Published Date 1988/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908473
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
血圧は,生命徴候の重要なサインの一つである.血圧値は,日頃疾病の診断や治療において,また身体の状態を知り看護をする上で,判断基準として繁用されている.判断基準として活用される血圧値は,当然正しいものでなければならず,従って正確な血圧の測定法を習得することが不可欠となる.しかし,血圧は,被験者の生理的条件や測定者の測定方法によって変動したり,誤差を生じやすく,臨床の場面では必ずしも正確な値を得ているとはいい難い.従って,看護婦は血圧測定をするにあたり,これらの変動要因を調整し,血圧に関する知識に裏づけられた正しい血圧測定法を習得しておくことが肝要である.
しかし,日野原ら1)は,「日頃医師は,看護婦の測定した血圧値を参考にするが,信頼度は,21.9%である」また,「技術的な面(マンシェットの巻き方,圧を下げる速度等)に問題がある」と指摘している.このような実態を改善するためには,看護の基礎教育課程で看護学生に正確な血圧値を得られるように教育しておくことが望まれ,このことは,学習指導上の大きな課題である.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.