NURSING EYE
愛のある手づくりの看護をめざして
加藤 法子
1
1藤田学園保健衛生大学看護学科
pp.578-581
発行日 1987年10月25日
Published Date 1987/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908423
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学生の患者への意識
学生に患者の場面をどう意識させるか.この問題については,どのような手段が一番よいのだろうか.私には最近の学生が,次第に幼なくなってきているような気がしてならない.昔流の1を知って10を知るということの10が,違った内容になってきているように思える.違った内容というのは生きた血のような情緒の濃いものが影をひそめてしまっていて,1を分析して並べると幾つになるか,どんな種類に要約されるか,合理的な方法にするにはどうするか.人の先を越すにはどの方法を使うのか,とか,とにかく数的なものできちっと決めてしまうようなことばかりで,あやふやなことは全てよけいなものとして除外するような理解の仕方をするように思える.
しかし,患者というものは,病気であるための苦痛や,自信喪失など最も情緒に満たされた状態の時期を経験している人だから,それを学生達に理解しろというのはまだ無理な段階なのだろうか.
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