身の丈に合う福祉を求めて・2
生活の肌ざわり—人を人たらしめるもの
河野 一平
pp.507-512
発行日 1981年8月25日
Published Date 1981/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907570
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精神病院の1日
精神病院の閉鎖病棟で看護をしていた人に話を聞いた.友人たちと持っているサークルの‘自分の見た世界シリーズ,第6回でのことだった.このシリーズは,いつもならば,フィリピン,インド,ニューカレドニア,アルジェリアといった,地理上の別世界に行ったことのある人を招いて話を聞くのだが,今回は視点を転じて‘精神病院の世界’となった.シリーズを通しての眼目は,自分の日常生活では見えてこない異質の世界と交流して,自分の世界にゆさぶりをかけてみようということなのだ.
この日のレポーターは,くつろいだほうが話しやすいというので,皆で手料理を持ちより,ビールまで持ち込んで歓談となった.いつものように参加者が数分ずつ簡単な自己紹介と,今日のテーマのどのあたりに関心があるのかをしゃべった後,レポートが始まつた.
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