特集 看護学生がゆきづまる時/揺れ動く心に潜むもの
私に余韻を残した学生,そして……
石光 慶子
1
1国立肥前療養所
pp.13-18
発行日 1981年1月25日
Published Date 1981/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907507
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人の心にひびく芸
ある日,風邪をこじらせ,ぼんやりと狭い部屋のかたすみでりんごをかじりながら,テレビのスイッチをひねってみると,偶然にも,私の好きな大竹しのぶが,宇野重吉と対談をしていました.もう,半年も前のことだから,消えかけた記憶をたどりながらの説明になりますが.
なまぬるく,なまけた体と頭をピリッと刺激した話があって,ウン?なに?と,テレビにジィーッと,ひきよせられたのです.それは,司会者が,大竹しのぶさんは宇野重吉氏を尊敬し,先生として学んでいるときいているが,そこのところを話してほしい,と尋ねている場面でした.大竹しのぶは,次のように話しはじめました.
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